１．最低賃金の動向

2019年度の地域別最低賃金額の都道府県別最低賃金が出そろいました。今後、各地域の手続きを経て改定額が公表されます。改定される時期は、10月1月から上旬までの間に発効される予定です。

もし改定金額を下回る場合は、改定が必要ですから、確認をお願いします。

2019年度各都道府県の最低賃金時間額(予定額)は、厚生労働省の資料で確認できます。
URLはこちらです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000537302.pdf

 

本年度の改定のポイントは次の通りです。
① 東京、神奈川で初めて時間額1,000円を超えました(東京都1,013円、神奈川県1,011円)
② 改定額の全国加重平均は901円になります(昨年度は874円)
③ 引き上げ額の全国加重平均は27円で、引上げ目安制度が開始された昭和53年以降で最高額になります
④ 最高額(東京都1,013円)と最低額(790円)の金額差は223円となっています

 

東京都の直近の改正状況

	平成27年	平成28年	平成29年	平成30年	令和1年
引き上げ額	19円	25円	26円	27円	28円
時間額	907円	932円	958円	985円	1,013円

 

 

２．環境整備を支援する助成金

厚生労働省等は、最低賃金の引上げや賃金の引上げを支援する助成金などを用意しています。要件に合う場合は、利用することも検討ください。

 

① 業務改善助成金
事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げた中小企業や小規模事業者に生産性向上のための設備投資等にかかった経費(業務改善経費)に助成率を乗じた額を助成。
生産性向上のための設備・機器の導入例は
 POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
 リフト付き特殊車両導入による送迎時間の短縮
 顧客・在庫・帳簿管理システムの導入による業務の効率化
 専門家により業務フロー見直しによる顧客回転率の向上　など
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

 

② キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)
有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を2％以上増額し、昇給させた場合に助成。
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000527143.pdf

 

③ 「働き方改革推進支援センター」
47都道府県の労働局の委託事業として、支援センターが開設されています。最低賃金引き上げで影響を受ける中小企業・小規模事業者等を中心に、非正規社員の処遇改善などを支援するために専門家による相談対応(電話・メール・対面・訪問)や相談会・セミナー等を実施しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198331.html

 

 

【コンサルタントプロフィール】

	大関ひろ美 （株式会社ブレインパートナー　顧問） 三重県四日市市出身。 ワンズライフコンパス（株）代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所　代表。1981年～　三菱油化（現、三菱ケミカル）株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得（その後特定社会保険労務士を付記）。 1996年～　外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年～　社会保険労務士事務所を開所独立。 現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです（かんき出版） 2013年～雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス（共著、新日本法規出版）