2026/06/10
  • 人材育成

【人材育成】役職定年後の処遇について

多くの企業で、役職定年はルール化しているが、役職定年後の処遇について、あいまいな会社が多い。役職定年後は、役職手当が支給されなくなるが、仕事内容が大きく変わることから、基本給まで影響を受けるのか?60歳定年まで、基本給は維持されるのか?様々な解釈がされている。調べた結果、以下の3タイプが取り入れられている実態である。どれが正しいかというよりは、一貫した会社の雇用ポリシーが求められる選択となるので、平均年齢高齢化が進む会社では、今一度整備しておくべきテーマと思われるので、参考にしてください。

■ 役職定年後の処遇:企業の実態3タイプ

● タイプA:役職手当のみ廃止(最も穏当)
• 基本給:維持
• 役職手当:停止
• 結果:給与10〜25%ダウン程度
(特徴)
• 「仕事が変わる(役割と責任)分だけ下げる」
• 納得感が高い
• 時間外労働手当は支給
• 役職定年導入とセットであれば、訴訟リスク低い
⇒弊社が提案する合理的なタイプ

● タイプB:専門職へ移行(あいまいなポジション)
• 基本給:維持
• 役職手当:専門職(専任職)手当へ
• 結果:給与維持
(特徴)
• 単にポストを空けただけ
• 本人のメンツは守られる(人件費上昇)
• 人事評価上、目標設定と見合う成果が難しい
• 「専門職」と分離しないと、「専門職」のステイタスがあいまいになる
• 訴訟リスク無し
⇒大手企業が採用しているケースが多い

● タイプC:役職定年と共に等級引き下げ
• 管理職等級 → 一般社員上位(3等級など)へ
• 基本給もダウン (人件費削減)
• 結果:20〜40%ダウン
(特徴)
• 責任と役割変更で、制度的には整合性あり
• ただし ・・・「実質降格」と感じる/不満が出やすい(モチベーション低下)
• 本人に加え、若手にも不安を与える(退職理由にもつながる)
⇒役職定年の年齢によっては、60歳定年制度・再雇用制度とも連動する

■ 論点

タイプAは、役職定年時には納得性が高いが、等級資格に見合う仕事内容、貢献度を発揮できるかというと、役職が無い当事者は、人事評価で低い評価となり、降格の対象となる可能性もある。
タイプBは、対象者に優しい制度である。波風を立てたくない大企業に多いが、専門職の権威が守られないことと人件費高騰の原因となる。若い世代から見れば、納得性が低い(何のための役職定年制度か?役職解任してからのほうが責任が無くなり給与を維持できることになる)。
タイプCは、社内における立場も大きく変わることから当事者には相当厳しいルールとなる。周囲からの見られ方も厳しい。「長く安心して働ける会社/高齢者に優しい会社」を否定してしまう制度で、若い方の将来に対する不安(管理職になりたくない)につながるのではないか。
どちらのタイプとしても、どういうポリシーで、どういうロジックで社員に発表するか、納得してもらうかがとても重要となる。また、60歳以降の雇用制度にも影響するので、セットにして考えたいテーマである。

 

 

【コンサルタントプロフィール】

和田一男
(株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント)
北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年)
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