- 人材育成
【人材育成】60歳以降雇用のトレンドと評価報酬設計案
60歳以上の社員について、等級引き下げ、給与40%ダウンという処遇が統計的にも多く行われていますが、同一労働同一賃金という考え方では、一律にはできないように思えます。定年延長と再雇用でも大きく違います。今後の傾向はどういうルールなのか、①定年延長、②再雇用、③契約社員化の3コースで分けて解説していきます。
■ 現在の“主流の高齢者雇用実態”
● パターン①:再雇用型(まだ多数派 2024年95.7%)
⇒処遇は「大きく下がる」
• 年収:定年前の6〜7割がボリュームゾーン
• ケースによっては
o 3〜5割ダウン(=半分近く)
• 約9割の人が年収ダウン
⇒つまり 「6割前後」が現場感覚としての相場
● パターン②:定年延長型(増加中)
⇒ 処遇は「比較的維持」
• 半数程度の企業は給与維持
• 減額しても8割前後にとどめる
⇒つまり 戦力維持(人材難)のため「大きく下げない方向」にシフト
■ なぜ処遇が下がるのか(構造理解が重要)
これは単なるコストカットではなく、制度上の違いです。
●再雇用の場合の 本質的な変化
項目 定年前 定年後
雇用形態 正社員(無期) 嘱託・単年度契約(有期)
役割 管理・責任あり 責任軽減・補助
賃金体系 年功・役職 職務・時間給中心
⇒この結果
• 役職手当消滅
• ボーナス減 or なし
• 時給化
→ 構造的に賃金は下がる
■ 現場のリアルな実態
実態としては、3つのレベルがあります。
● レベル①(旧来型・地方企業に多い)
• 年収:50〜70%
• 役割:ほぼ同じ or 曖昧
• 問題: 「仕事同じなのに給料半分」(同一労働・同一賃金問題となる) ⇒モチベーション低下
⇒最もトラブルが多いゾーン ⇒立場が弱いと泣き寝入り
● レベル②(一般的な現実解)
• 年収:60〜80%
• 役割:責任軽減・専門特化
• 特徴: 技術者・熟練者は比較的高い(技術伝承)
管理職は外れる (役職手当0+職能資格下げられる) ⇒給与大幅減
⇒現在のボリュームゾーン
● レベル③(先進企業)
• 年収:70〜100%(役割連動)
• 役割:ジョブ型・役割ベース 、評価あり
• 特徴: 年齢ではなく役割で処遇
再雇用でも管理職あり
⇒ただしまだ一部
■ 最近の“変化トレンド”
①「高齢者も戦力化」へのシフト
• 従来:雇用確保→義務としての対応
• 現在:人材不足 → 戦力として活用
⇒その結果
• 賃金引き上げ事例増加
• 技術者の囲い込み
② 「ジョブ型・役割給」への移行
• 年齢ベース → 役割ベースへ
• 再雇用でも 「役職延長」
「プロフェッショナル職」として継続
例:
• 再雇用でも役職可能
• 年収維持・引上げ事例あり
③ コース制の導入が増加(おすすめ)
A定年延長型:ジョブ型・役割重視型(定年延長)
・ シニアネジメントコース
・ プロフェッショナルコース
・ メンターコース
B再雇用型:役割限定・現場社員型(立場は下がるが雇用維持)
・ シニアプレイヤーコース
C契約社員時間給型:柔軟型労働・補助業務
・ 時短コース
⇒本人と話し合い、会社の希望と本人の希望をすり合わせ(1年ごとに面談の上更新)
コース選択 ⇒評価・報酬と連動させる
※モチベーション維持のため、すべて評価連動型報酬
※役職定年、55歳くらいからコース選択を提示、リスキング支援(補助金活用)など準備していく
■まとめ
高齢者といっても、個人差がある。一人一人の希望と会社側からの期待をすり合わせて、選択制にするのが今後の傾向と考えられる。企業側の事情として高齢者の戦力化への依存状態で、選択していく傾向は変わるので、10年単位の人員構成を考えながら、しっかり議論してください。
【コンサルタントプロフィール】
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和田一男 (株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント) 北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年) |
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