コンサルタントコラム

【人事管理】有給休暇の計画的付与で連休を

1.年間の営業日を計画する

11月に入りましたので、壁に掛けた月別カレンダーは、残りあと2枚になりました。年末が近くなり、そろそろ来年の営業日の予定を立てる企業も多いと思います。そこで、社員の出勤日の計画を立てるとき、有給休暇の計画的付与(以下は、計画的付与といいます。)を導入して連休を増やしてみてはどうでしょうか。
例えば、会社の休日が土曜・日曜のケースならば、 2018年の祝日の並びと土曜日・日曜日を合わせると、3日以上休める回数は今年より多くなっています。
そこでさらに連休を増やそうとするならば、5月1日と2日を休むことにすると9連休にすることができます。もちろん、企業の営業に支障がないことが前提になりますから、どの企業にもあてはまるものではありません。
しかしながら、連休にしたほうが結果的に働く効率が上がる場合は、要件を満たしたうえで計画的付与を行う方法がとれます。


2.有給休暇の取得率UP

入社した社員が、6ケ月継続勤務し、その6ケ月の労働日の8割以上を出勤していれば、法定の有給休暇を与える義務があり、その後毎年、法に定める有給休暇の日数を与える義務があります。そして、社員から請求があった時に付与した日数の中から消化がされていきます。
有給休暇は、社員を労働の義務から解放して、心身のリフレッシュをはかる目的があります。「働く時はしっかり働いて、休む時はしっかり休んでほしい」ものです。しかし、日ごろの業務が忙しくて、社員に付与した有給休暇が、なかなか消化されない企業をみかけます。これを解決するためにも、計画的付与は有効だと思います。


3.計画付与制度の運用について

就業規則に定めたうえで、各社員の有給休暇のうち5日を超える部分については、労使で話し合ってあらかじめ取得日を決めておくことが法律で認められています。注意点は、計画付与を導入しても、5日分については、社員が自由に請求できるように残しておかなければならないことです。
では、計画的付与するにはどうしたらよいでしょうか。まず就業規則に規定することと、労使協定が必要です。
そして、導入しようとする計画的付与の内容によって、労使協定は異なります。例えば、以下のような内容を協定で定めることが考えられます。

(1) 事業場全体の休業による一斉付与の場合には、具体的な有給休暇の付与日
(2) 班別の交替制付与の場合には、班別の具体的な有給休暇の付与日
(3) 有給休暇付与計画表による個人別付与の場合には、計画表を作成する時期、手続等(具体的な有給休暇の付与はその計画表によって定まることになる。)

就業規則に計画的付与の規定をすでに入れてある企業であれば、この年末の時期は、翌年1年間の営業日を計画して、労使協定を結ぶ良いタイミングだと思います。
なお、有給休暇が、時間単位で取得できる事業場であっても、計画的付与として時間単位年休を与えることは認められていません。
「時間単位年休は、個々の労働者に対して時間単位による年休の取得を義務付けるものではなく、労働者が時間単位による取得を請求した場合において、労働者が請求した時季に時間単位により有給休暇を与えることができる。」というものですから、計画的付与として時間単位年休を与えることは認められていません。

詳しくは厚生労働省の有給休暇ハンドブック等でご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/040324-17a.pdf

 

 

【コンサルタントプロフィール】

写真_大関ひろ美 大関ひろ美
株式会社ブレインパートナー 顧問
三重県四日市市出身。

ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)

 

DATE : 2017/11/15

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