【人材育成】部下との面談に求められる9つの役割
マネージャーにとって、部下育成は重要な仕事の一つです。
評価時のフィードバックや目標管理での進捗管理支援に限らず、部下と面談する機会は少なくありません。
また、少子高齢化の流れに歯止めをかけ、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」の実現に向けて「職業能力開発促進法」や「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)」などの法改正が進んでおり、社員のキャリア開発に取り組む企業への助成金も人気が高いようです。
そんな時代背景のもと、マネージャーに対しても日常業務を通じた「従業員のキャリア開発支援」が期待されるようになりました。
慣れ親しんだ業績面談と、キャリア開発を目的としたコンサルティング面談との違いを把握しておきたいものです。
以下の表を参考にしてください。
自分の将来に不安や悩みを抱えている部下と面談する場合、部下にとって信頼出来るライン・マネージャーと面談してキャリアコンサルティングを受けることができれば、双方の信頼関係は一層深まります。
組織内(特に部門内)でのキャリアコンサルティングでは、対話によるセッションを通じて、個人の中に内在されている情報(ときには本人自身も気づいていない個々の潜在能力やキャリアのニーズなど)を明確化していける機会でもあります。
組織内でのキャリア面談を効果的に進めるためにも、ライン・マネージャーは部下の心の動きに応じて9つの役割を使い分けられるよう準備しておきたいものです。
不安や問題を抱えている部下の心理状態は、面談でのセッションを通じて変化していきますので、その心理変化に合わせて必要な役割を務めましょう。
※1 傾聴とは、自分の訊きたいことを訊くのではなく、相手が話したいこと、伝えたいことを、受容的・共感的な態度で真摯に“聴く”こと
【9つの役割】
① コミュニケーター
マネージャーと部下間の相互交換関係を促進する。
② カウンセラー
部下がゴールを設定し、それを達成するためのステップを確認するのを支援する(たとえ、そのゴールやステップが現在所属する組織に関連しないものであったとしても)
③ 評価者
部下のパフォーマンスを評価してフィードバックを与え、現在の仕事に特有のゴールや目標をうまくこなすようになるのを支援する。
④ コーチ
部下が自分の仕事をより効果的にできるようにするために、支持を与え、スキルのトレーニングを行う。
⑤ メンター
部下のキャリア形成を促進するのに有益な組織内外の活動をアレンジしたり、そのような人物を紹介したりする。また、自分自身がキャリア形成に有効な行動をすることによって、部下のロール・モデルとなる。
⑥ アドバイザー
キャリア形成の機会についての情報を、組織内外にかかわらず提供する。
⑦ ブローカー
部下の成長に有益な機会を提供する。
⑧ 委託者(リファーする人)
部下が特定の問題を解決するのに必要な資源を確認し、リファー(専門家に紹介)する。
⑨ 弁護人
部下の代理人をして、仲裁を行う。
【コンサルタントプロフィール】
DATE : 2016/07/13