【助成金】事業展開等リスキリング支援コースを活用して人材育成
厚生労働省が実施している人材開発支援助成金のひとつに、事業展開等リスキリング支援コースがあります。企業の事業展開、DX化、グリーン・カーボンニュートラル化を目的として、社員に実質訓練等を実施したとき受講料等の経費や賃金の一部が助成されます。
人材開発支援助成金には複数のコースがありますが、事業展開等リスキリング支援コースは、ほかのコースより経費助成や賃金の助成の金額が高くなっています。また、1事業所の支給限度額が年間1億円と枠が大きいため、受講人数が多い企業や長時間受講を計画する企業にお勧めです。
1. 助成額
*受講料は必ず事業主が負担しなければなりません。
*実訓練時間数による、受講者1人あたりの経費助成の上限があります。
2. 訓練の主な要件
次の①②のいずれかのために必要な専門的な知識及び技能を習得させる訓練時間数を10時間以上のOFF-JTで行うこと。
① 事業展開(新たな分野への進出、業種・業態転換等)を6か月以内に実施した又は3年以内に実施予定である
② 事業展開は行わないが企業内のDX化やグリーン・カーボンニュートラル化を推進する
【事業展開とは】
新たな製品を製造しまたは商品若しくはサービスを提供すること等により、新たな分野に進出することをいいます。また、事業や業種を変更することや、既存の事業の中で製品の製造方法やサービスの提供方法を変更する場合も含みます。
例えば、1年後に先端技術(IoTや画像AI)を活用した安全監視のためのシステムを設計・開発・販売する事業を新たに立ち上げたいが、現在は対応できる人材が足りないので、AI技術の基礎及び機械学習等の訓練を受講させた。などがあります。
3. 対象労働者の主な要件
申請事業所の雇用保険被保険者であることです。
4. 主な手続き
職業能力開発推進者を選任します。訓練開始日の1か月前までに計画届と必要書類を提出し、訓練終了の翌日日から2か月以内に支給申請をします。
以上のほかにも受給要件があります。詳しくは厚生労働省のウェブページ等でご確認ください。
事業展開等リスキリング支援コースの掲載ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html#1001
リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001098536.pdf
【コンサルタントプロフィール】
大関ひろ美
(株式会社ブレインパートナー 顧問)
三重県四日市市出身。
ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)
DATE : 2023/10/13