コンサルタントコラム

【人事管理】鉄道遅延等の遅延証明書があるときの遅刻扱いは

鉄道の事故等で出勤が遅れて始業時刻に仕事を始められなかった時の社員の遅刻控除の扱いについては、まず就業規則を確認しましょう。もし、就業規則に特別な定めがない場合は、ノーワークノーペイの原則にそって賃金を支払わないことができます。

 

1.月給社員の場合

しかし、多くの企業の就業規則では、「通勤に使う公共交通機関に遅延が発生し遅延証明書を提出した時は遅刻扱いとせず、賃金控除を行わない。」というような定めがあります。この一文の扱いについて人事担当者がしばしば戸惑い質問を受けることがあります。

30代の社員Aさんは、日ごろから始業時刻の数分前ギリギリに出勤しており、そのせいか通勤路線で少しでも鉄道遅延が発生すると必然的に遅刻が頻発するそうです。ただし、遅延証明書を提出するので、遅刻扱いにしていない。Aさんは、こまめに遅延証明を受け取って出社するそうです。また駅で遅延証明書をもらってこなくても、鉄道会社のホームページからダウンロードできるので、当人は手間を感じることなく遅延証明を提出するそうです。

その職場では、同じ路線を使用している社員が数人いますが、日ごろからある程度始業時刻前に職場に着いているし、鉄道の遅延情報があるときは、早く家を出ているため始業時間に遅れることは少なく、Aさんの遅刻が余計に目立つようになってきました。自発的に少し早く家を出るという意識の違いがあるようで、どのように注意をしたらよいかという相談を受けます。

一般的なケースでは、「始業時刻に仕事が始められるように計算をして家を出るように。」と指導する必要があると思います。
尚、常に始業時刻の10分前には出社して職場の清掃をする等の具体的な業務指示をしている場合で上司の指揮命令下にあると考えられる状況に置く場合は、始業時刻10分前から労働しているため10分早出の賃金を支払う必要がありますのでご注意ください。

もう一つ、交通機関の遅れは想定できるものですから、遅延証明を提出した場合でも数分の遅刻は特別扱いしない規定に変更することも考えられます。例えば、「遅延証明を提出した場合で10分以上出社が遅れた場合に限って遅刻扱いとしない。」というような定めです。
しかし、影響は小さいといえども就業規則の不利益な変更になりますので、丁寧に変更の理由を説明して社員の大半から同意を得られるようにしたうえで変更する必要があります。

 

2.時間給社員の場合

時間給で給与を払う社員の場合でも、あらかじめ決めた始業時刻がある場合で、「通勤に使う公共交通機関に遅延が発生し遅延証明書を提出した時は遅刻扱いとせず、賃金を支払う。」としている就業規則もありますので、その場合は、遅刻した時間分の時間給を支払うことになります。
一方で特に定めているものがない場合は、遅刻している時間分の時間給は支払わずに、実際に労働をした時間に対して時間給を支払うことになります。しかし、鉄道遅延について月給社員と時間給社員で給与の扱いを変える場合は、合理的な説明ができなければ不適切な差異となってしまいますので、細かい検討が必要です。

 

3.バスの遅延

日本の鉄道は、世界の中で時刻表通りに運行される精度が高いことで知られています。しかし、バスは一般道路を走る為、影響される要素が多く遅延が起こりやすい環境にあると思います。就業規則に公共交通機関の遅延に関する規定をすることきは、特別扱いの範囲を公共交通機関全般とするのか、バスは除外して鉄道に限るのかをあらかじめ決めておく必要があると思います。

 

【コンサルタントプロフィール】

写真_大関ひろ美


大関ひろ美
株式会社ブレインパートナー 顧問
三重県四日市市出身。

ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)

 

DATE : 2024/02/26

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