コンサルタントコラム

【労働時間管理】ウェブサイト閲覧等も労働時間か

就業時間中に業務にまったく関連のない私用の目的でウェブ閲覧や電子メール使用を利用している時間は、労働時間とみなすでしょうか。
これはもちろん、使用者が指揮命令した行為ではありませんから、労働時間に該当しません。しかし、意外と対応に悩んでおられる上司もおられるようです。

 

.放置状態は本人のためにならない

就業時間中にウェブ閲覧やメールやSNSは、情報収集が業務に何らかの関連があったり人脈作りに繋がっていたりすることもありますから、判断しにくい一面もあります。

そしてこうした類の話は、程度問題だということもあります。少しくらいはよいかと、自主性にまかせている職場であっても、部下は「上司から注意されなければ問題ないだろう。」と考えて、その行動が目につくようになった結果、「注意をしたいのだがどうしたらよいか。」と、相談を受けることがありますから、職場の問題行動の一つになっていると察しています。
実際のところは、放置状態が続くと、改めて注意することを躊躇してしまう上司もいるようです。

一方で、介護を必要とする家族や、養育が必要な子がいて、仕事と両立をしている場合は、その家族と連絡をとる時間を労働時間の中で認めている企業も多いと思います。この場合も、あまりに頻繁に離席したり、まったくの私用行為と線引きをしにくく苦慮しますが、考え方を整理し社内の共通認識にしておくべきでしょう。

就業中にスマートフォン等で家族と連絡を取る時には、少し職場を外れて短時間で用事を済ませて職場に戻ることを決めておくことで、職場の仲間の理解が得やすくなった例もあります。

こんな例もあります。私用でモバイル機器を使用してはならない。と規定をしたら、オフィスのとは別の上下の階のトイレの個室にこもってスマートフォンやタブレットを使う社員が続出し、上下の階の会社から苦情が来たそうです。その社員の多くは、トイレにこもって自分のネット株取引に夢中になっていたようです。

 

.ウェブ閲覧等を服務規程に定める

労働時間管理の対応策としては、「ウェブ閲覧、SNS等の投稿および電子メールの私的利用を禁止する」ことを就業規則の服務規程に定めて、遵守するように指導をします。また、パソコンで閲覧範囲に規制をかけておくこともよくある対処法です。

他にも、次のような対応があるようです。
・インターネットの利用状況をモニタリングする
・インターネットが利用できるパソコンを制限する
・職場にスマートフォンや私用のパソコンを持ち込ませない
・職場の責任者に任せるなど

ウェブ閲覧等については、企業ごとの実情にあった対応をすることと、あいまいにせずに共通のルールにしておくことが肝要と考えています。

【コンサルタントプロフィール】

写真_大関ひろ美 大関ひろ美
株式会社ブレインパートナー 顧問
三重県四日市市出身。

ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱化学)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)

 

DATE : 2017/01/23

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