コンサルタントコラム

【人事管理】今後最適なテレワークと人事評価など

1.今後の最適な勤務体制を構築する

前回のコラムに引き続きテレワークについてです。テレワークが可能な企業の動向は、社員の希望を取り入れながら最適な勤務体制や人事評価を構築する時期ではないかと思います。

働き方として、出社100%とするか、在宅勤務をはじめとするテレワーク100%又は週のうち3日程度をテレワークとして継続するか、どのような勤務体制が効率よく生産性が向上するのかを検討することになると思います。

また、忘れてならないのは、緊急対応する環境が発生した時に企業活動を続けていける体制を維持しておくことです。新型コロナの第6波に限らず、自然災害や社員の長期欠勤等でも事業が継続できる体制として、その一つにテレワークへスムーズに移行できる状況を準備しておくことをお考えと思います。

さて、筆者に相談された事例で社員10人程度の企業があります。企業は、完全在宅勤務から週に4日間出勤する勤務に変更しようと考えていましたが、社員と面談をしてみると、小学生と中学生の子育てと仕事を両立している社員が在宅勤務100%を継続したいといい、出勤してほしい企業の考えとズレが生じ互いに良い働き方を調整しなければならなくなりました。

その社員に状況を聞いてみると、在宅勤務の就業時間中に子供の習い事の送り迎えをするために、中抜けをしたり始業時間をずらしていたりしたことがわかりました。ただし、30分中抜けしたら、自分の判断で30分終業時刻を延長していたそうです。
その企業は、事業の特質上フレックスタイム等を導入していない為、本来であれば事前に上司へ時間単位の有給休暇の取得申請をすることになっていますが、実際は行われていませんでした。労務管理の社内手続き上は大きな問題ですが、仕事の成果物はきちんと提出されており、労働時間に対する賃金の未払いも発生しておらず、事業活動の継続という面では問題がなかったのです。

在宅勤務を運用してきた1年半でしたが、今になって社員の働き方の実態が判明して正直驚きました。フレックスタイム制を導入するか、1日の労働時間は変えずに就労する時刻を繰り上げ又は繰り下げを事前申請することで対応をするのか、今後の良い働き方が構築されるように見守っています。

こうした例のように、社員数が比較的少ない企業であれば、勤務体制を修正しながら合意をしたうえで、働き方を改革していくことも可能だと思っています。

 

2.テレワーク利用者が感じる課題

最後にテレワークの労務管理の課題を働く人に聞いた調査(日本生産性本部が実施)を見てみます。
2021年10月の回答では、調査を始めた2020年7月と比較すると、すべての回答について7月の回答よりも課題を感じている割合が減っています。そこで、課題の上位から見てみると、
「仕事の成果が評価されるか不安」「業務報告が煩わしい」「仕事ぶりが評価されるか不安」「オフィス勤務者との評価の公平性」「上司・先輩から指導を受けられない」「孤独感や疎外感」「勤務時間管理が働き方にそぐわない」「健康維持や勤務中の事故が不安」となっています。

この調査は、あらかじめ用意された労務管理上の課題事項から選択して回答するスタイルであるために、雇用者の本音が全部表れているわけではないと思われますが、総じて、「テレワークにおいて自身が公平に評価されるかどうかについて関心が高い」ことがわかります。この雇用者の意識は、テレワークを継続する企業の施策の参考になると思います。
出所:(公財)日本生産性本部)第7回働く人の意識に関する調査レポートより
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/7th_workers_report.pdf

 

 

【コンサルタントプロフィール】

写真_大関ひろ美


大関ひろ美
株式会社ブレインパートナー 顧問
三重県四日市市出身。

ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)

 

DATE : 2021/11/22

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