【人事管理】ストレスチェックが50人未満の事業場も実施義務化へ
従業員のメンタルヘルス対策を強化するため、従業員50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されることが決まっています。これまで努力義務だった小規模事業場も、今後は法的義務が課されます。
現在、ストレスチェックは常時50人以上の従業員を使用する事業場に義務づけられています。年1回、医師や保健師などによる検査を実施し、従業員本人への結果通知や高ストレス者への面接指導を行います。50人未満の事業場はこれまで努力義務でした。
1. 義務化の背景
人手不足や人間関係および労働を取り巻く環境の変化などによるメンタル不調が増えています。ストレスチェック実施率は大企業で9割超に対し、小規模事業場では3割程度です。
2.実施義務化のスケジュール
令和7年(2025年)5月に交付された改正安全衛生法にこの義務化が盛り込まれています。
令和10年(2028年)5月までに施行される見込みです。
厚生労働省は中小事業場向けの実施マニュアル作成に向けて、有識者のワーキンググループを開催して、準備を進めています。
令和8年(2026年)3~4月ごろに、50人未満の事業場で留意すべき点を含めた実施マニュアルが公表される予定です。今後の情報にも注意しておきましょう。
3.検討されている項目
① 高ストレス者に対する面接指導の申出方法
従業員が安心して申し出やすくなるよう、事業主に直接申し出るのではなく、外部委託先を経由して申し出る仕組みを導入すること。
② 結果通知等のプライバシー保護の在り方
高ストレス者の面談指導を行う際の個人結果の扱いについては、事業主を経ずにストレスチェック実施者(外部機関)から面談指導の医師に直接提供すること、または、本人が直接持参すること。
等が厚労省で検討されています。
4.中小事業場が今からできる準備
① 外部機関との連携体制を整える
ストレスチェックの現行制度を認識し、医療機関や専門事業者を調査するなど、実施の仕組みを早めに整えましょう。
② 制度の目的を職員に周知する
評価のためではなく健康保持を目的とする制度であることを伝え、安心してチェックをうけられる環境をつくりましょう。
■ まとめ
ストレスチェックの義務化は、中小企業にとって避けられない流れです。法対応と同時に、職場環境の改善につなげることが重要です。 早めに準備を進めておきましょう。
現在50人以上の事業場に導入義務化されているストレスチェック制度は厚生労働省のページで確認できます
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html
【コンサルタントプロフィール】
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大関ひろ美 (株式会社ブレインパートナー 顧問) 三重県四日市市出身。 ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。 |
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DATE : 2025/10/28


























