コンサルタントコラム

【助成金】雇用調整助成金等の不正受給への対応強化

1. 特例措置
新型コロナウィルス感染症による雇用調整助成金の特例措置は、このコラムの掲載時点で令和4年11月まで延長されています。
そして、令和4年10月と11月の中小企業における原則的な支給率は、4/5(解雇などがない場合は9/10)で、日額の上限は8,355円です。また、中小企業で業況特例等に該当する場合は、日額の上限が12,000円になります。

尚、令和4年10月以降に初めて申請する事業主は、生産指数が前年同期比(前前年同期、3年前同期などと比較することも可能)で、1か月に10%以上(従来は5%以上でした)減少していると生産要件を満たしていることになり、支給申請ができます。

 

2. 事業所訪問・立ち入り調査
雇用調整助成金の特例支給が長く続いている反面で、不正受給をした事業主への調査が強化されています。また、厚生労働省は、不正が疑われる事業主だけでなく、支給決定が行われた事業主の一部にも事業所への立ち入り調査を実施しているようです。これらは、会計検査院による労働局が適切に助成金支給をしているかを調べることが派生して、労働局が事業所に調査に入るという背景もあります。
リーフレットによると、立ち入り調査の概要は以下の通りです。

・調査は、事前予告なしに行うことがある
・出勤簿や賃金台帳等休業の実態確認に必要な書類を確認する
・立ち入り調査を拒み協力しないと罰則がある(雇用保険法第79条に基づくもの)
・従業員や取引先等へ調査協力を求めることがある
・提出代行等をした社会保険労務士にも確認する

そして、不正受給が判明した時は、不正発生日を含む申請期間と、それ以後に受給した全額と、さらにその2割に相当する額と、延滞金(不正受給の日の翌日から納付の日まで年3分)の合計額を変換請求されます。

また、事案に応じて事業所や代表者の名称、事業所の所在地、不正受給額、不正の内容を公表するとしており、悪質なものは捜査機関に刑事告発等をするそうです。

過去の不正受給の例としては以下のような事例が指摘されています。
・架空休業:実際には勤務をしているにも関わらず休業したことにした
・架空休業:出勤を命じていたがタイムカード等に記録しないように指示した
・未支給休業手当:実際には支給していない休業手当を支給したと装った

 

3. 申請書類等の見直しと保管
立ち入り調査等が行われると、労働局等が保管している申請書類等と、事業主が保管している書類の原本との確認が行われることが予測されます。申請した期間の出勤簿や休業手当の支給確認ができる賃金台帳をすぐに提示できるように整備しておきましょう。

新型コロナウィルス感染症が始まって、緊急事態宣言があり、休業と助成金の支給を迅速に行う為、支給申請の手続きは簡素化された経緯がありますし、通常よりも簡素化した確認によって支給決定されていたケースもあります。

例えば出勤簿や賃金台帳は手書きの集計表でも、内容がわかるものであれば申請可能でしたし、休業協定書の写しの添付も途中から省略可能になりました。そうしたこともあって、過去の書類や内容の精査が事業主も支給決定側でも、きちんと行われなかったものがあるかもしれません。

事業主が過去の書類を見直してみると、単純な間違い申請が見つかることが想定されます。そうした場合は、調査等で指摘される前に、きちんと説明できる資料をまとめたうえで、誤りの内容を管轄の労働局に相談することをお勧めします。

不正受給の対応強化について詳しくは、厚生労働省の下記URLをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000864771.pdf

 

 

 

【コンサルタントプロフィール】

写真_大関ひろ美


大関ひろ美
株式会社ブレインパートナー 顧問
三重県四日市市出身。

ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)

 

DATE : 2022/10/21

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