【目標管理】マネジメントサイクルと日常のマネジメント
ドラッカーはマネジメントを「組織を通じて成果を上げるための機関である」と定義しています。つまりマネジメントは成果を出すための手段であり道具という位置づけです。
マネジメントの基本スキルとしてよく知られているのが「管理サイクル」ですが、自社の特徴に合った管理サイクルの活かし方ができなければ狙った成果を出すことはできません。
スタートはPLANから! の考え方に固執しすぎてPLAN作成に時間を取られると、期首にスタートダッシュできず、結果として期末に負担がかかるというケースも見受けられます。
以下の3タイプは考え方のスタートをどこに置くかの違いで本質的な違いはありません。
いずれのタイプであっても期首のスタートと同時にDOできるスケジュールが望まれます。
【タイプA】
事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。最後のACTIONを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くようにサイクルをスパイラルアップさせて、継続的に業務改善する。
PLAN |
目標を設定し、何をするのか施策の仮説を立て、具体的な行動計画に落とし込む。 |
DO |
計画に沿って業務を実行する。 |
CHECK |
計画にそって施策が展開されているか、検証・評価を行う。 |
ACTION |
計画(Plan)に問題があるのか、実施(Do)に問題があるのか? 未達原因を明確にして対策を講じる。 |
【タイプB】
現状の問題点や課題を把握した上で改善立案⇒施策の計画と流れる連続性が保たれやすい。
期首と同時にDO するために一工夫必要となります。
CHECK |
現状の問題点や課題を把握する |
ACTION |
把握した問題点や課題を元に解決策を立案する。 |
PLAN |
解決策を含め、上位目的達成に向けた行動計画を立てる |
DO |
計画に基づき、行動する。 |
【タイプC】
新規市場での事業展開や変化の激しい業界など、素早く行動(Do)し、市場や顧客の反応を確認しながら、常に検証(Check)、改善(Action)を続けることが適切な場合に採用します。
DO |
まずは動く! やってみる。 |
CHECK |
何がうまく行って、何が拙かったのか、状況を把握し、課題や問題点を見つける。 |
ACTION |
課題や問題点を除外するための対策を立てる |
PLAN |
課題や問題点除外の対策を含んで、上位目標の達成に向けた行動計画に落とし込む |
「本質的な違いありません」と述べましたが、管理サイクルの本質とは何でしょうか?
管理サイクルの本質とは、螺旋を描くようにサイクルをスパイラルアップ(向上)させ続けることで上位目標を達成させる手段だという点です。つまり、運用面で継続的かつ安定的に管理サイクルを回すことがマネージャーに求められるスキルとなります。
また、単に継続的・安定的に回せばよいというわけではなく、管理サイクルの効果性の決め手は日常的な「回すスピード」にあります。
現場では、月初にPLANを立て、1か月DO(実行)して月末にCHECKし、翌月に向けてACTIONするのでは手遅れです。これでは、問題点への対策機会が11回しかないことになります。
現場での管理サイクルは1週間が基本と考えましょう。
管理サイクルを継続的・安定的に早く回す!
さらに「管理幅の活用」と「先行管理のプランニング」がマネジメントの質を高め、上位目標達成への近道となりますが、これらについては、後日のコラムに譲ります。
【コンサルタントプロフィール】
DATE : 2016/07/22