コンサルタントコラム

【人事管理】厚労省が個別労働紛争相談件数を公表

1.個別労働紛争の解決について

労働関係の個別的な問題に関して、労働者と事業主との間のもめごと(紛争)の解決を目的として行うものに、都道府県労働局長の相談・助言・指導制度や、紛争調整委員会のあっせん制度があります。(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律_第3条、第4条、第5条)

都道府県労働局及び労働基準監督署では、全国380か所の「総合労働相談コーナー」を設置して、紛争当事者である労働者と事業主のどちらからでも相談を受け付けています。相談者は、労働局長による助言・指導の申し出や、紛争調整委員会によるあっせんの申請をすることができます。また、法制度等に違反の疑いがあるものは、労基署又は公共職業安定所等へ引き継が行われます。

もし、労働者側からあっせんの申請があった場合には、あっせんに応じるか否かを選択してその後の対応をすることになりますから、知っておいていただきたい制度のひとつです。

 

 

2.平成29年度の個別労働紛争の解決事例

厚生労働省が公表した平成29年度の総合労働相談件数は、1,104,758件(前年1,130,741件)です。件数は、ほぼ横ばいでしたが、注目されるのは、相談内容です。相談内容は全体の件数でも、民事上の個別紛争相談の末に助言・指導又はあっせんになった件数におもいても、「いじめ・嫌がらせ」が1番多く、次に「解雇」に関する相談であたったようです。

また、事例を見ると、「いじめ・嫌がらせ」にかかる助言・指導では、派遣先の上司から「ふざけてんじゃねえぞ」や「お前はこの地域の恥だ」等の人格を否定するような暴言を日常的に受けた例があります。その他には、事業主が正社員を配置転換と同時に準社員へ変更して労働条件を変更するなどした例について法令をあげて助言や指導したことが紹介されています。

一方で、能力不足を理由に解雇した事例では、労働者は、「前任者からの引継ぎ時間が短く業務内容を教えてくれなかった状況で勤務していた。」と言い、これに対して事業主側は、「労働者は当該業務ができるということで雇用し引継ぎと教育を行ったが能力に達しなかった。」と主張し双方の言い分が違っていたことがあげられています。
十分な対応をしていても、双方の主張の違いがあって解決に至らないような状況は起こってしまう。こうした事例を知っておくことも重要だと思います。

厚生労働省報道資料「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します。
はこちらのURLでご覧いただけます。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000213218.pdf

 

 

【コンサルタントプロフィール】

写真_大関ひろ美 大関ひろ美
株式会社ブレインパートナー 顧問
三重県四日市市出身。

ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱化学)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)

 

DATE : 2018/06/28

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